今回は鱧の仕込みの方法を紹介します。骨切りする前に必要な工程を解説します。丁寧に仕込むことで同じ鱧でも別物に仕上がります。
活〆神経抜き
鱧は身が死後硬直を起こしてしまうと、独特のフワフワ感が無くなってしまうので活〆後神経抜きの下処理をした物を用意します。
鱧の神経抜き
今回は900gの鱧にこの神経抜きを使いました。
70度のお湯で表皮をとる
鱧の表皮にある食べた時に口のなかに残る部分を取り除いていきます。大きい鍋に70度のお湯を用意して、鱧を約1分つけた後氷水に落として粗熱を取ります。
鱧の産地によって皮の柔らかい物、固い物があるので
70度/1分を基準に鱧に合わせて時間を変えてみて下さい。
※温度の高すぎは失敗の原因になります。
表皮をとる
まずは包丁で表皮のみを取り除いていきます。その後に残った細かい汚れは金たわしやへちまを使い落としていきます。
掃除前
掃除した後
一枚皮がむけて真っ白の皮が出た状態
水洗いをして開く
内蔵、頭を落とし水洗いをして鱧を腹開きにします。目打ちして固定してもやりやすいですが、鱧は骨が硬いのでそのまま開いても大丈夫です。
背鰭を抜く
※ここからが難しい作業↓
鱧を卸すと真ん中に背鰭と繋がっている骨があるので包丁で取り除きます。
この部分を取ることで、次の作業で背鰭を綺麗に抜くことができます。
皮、身を傷つけないように慎重に作業を進めます。
背鰭を抜く
最初は背鰭が途切れてしまいますが、身を傷つけないように丁寧に抜くことが大切です。動画などでは綺麗に一発で抜けている方がいますが、まずは丁寧さを優先するのがおすすめです。
残った小骨の除去
背骨の入っていたところに、小骨が少し残ります。その小骨を取り除き皮一枚残した状態まで綺麗に掃除します。
ポイント 包丁を立てすぎないで包丁でこそぐようにして取り除きます。
この作業は慣れるまでかなり難しいです。力加減に気を付けて皮を切らないように慎重に作業を進めましょう。
完成
ここまでが骨切り前までの鱧の下処理です。最初は難しいですが丁寧に作業するととても美味しいです。
骨切り鱧
どうして作業が手間な人には、すぐに食べられる骨切りした状態の鱧も売られています。